Amazon物販で商品が売れるかどうかには、他の出品者の動きも大きく関わってきます。Amazonは、一つの商品ページに複数の出品者が集まる仕組みということもあり、極端に安値で出品する店舗が現れると相場が大幅に下がるケースがあるのです。
最安値で出品している他店が気になる場合は、“Amazon刈り取り”という手法で対処することも可能です。今回の記事では、Amazon刈り取りの仕組みやメリット、刈り取る際の注意点やリサーチのコツについて紹介します。
メディアの内容を動画でも詳しく解説してますので参考にしてください!
Amazon刈り取りとは、商品の仕入れと販売をどちらもAmazonで行なうスタイルのことです。
例えば、今まで5万円付近で販売されていた商品があったとしましょう。多くの出品者が過去のデータを見ながら同じような価格で販売していきますが、ここで突然4万円という価格で販売するA社が登場したとします。
本来は5万円でも問題なく売れていたのに、この最安値更新をきっかけに価格競争が起こり始めます。他の出品者も「最安値の4万円でなければ売れない」と考えて、価格を合わせてしまうのです。
このような状態となったときに、Amazon刈り取りが効果を発揮します。最安値の4万円で出品している商品をすべて買い取って、Amazonで出品し直してしまうのです。ライバルを排除したうえで新たに本来の相場価格で出品すれば、利益を出せるでしょう。
次に、Amazon刈り取りがおすすめである理由を、6つのメリットからみていきましょう。
Amazon物販では、他の出品者の価格を調べたうえで、最安値付近の価格で出品するのが一般的な流れです。しかし、「事情があり一日でも早く売りさばきたい」「初心者なので、安さで勝負して実績や評価を稼ぎたい」という理由から、本来の相場よりも安値で販売されるケースもあります。
そこで、極端に安い価格を提示している出品者だけを狙えば、需要のある商品を圧倒的な安値で仕入れることが可能です。
もともと5万円で売れる商品を4万円という安値で出品されると、安売り競争が続いて相場が4万円に固定化されてしまうかもしれません。
この場合、4万円付近で出品されている商品を一気に刈り取れば、値崩れを食い止めて相場をもとの5万円に戻せるでしょう。結果的に、無用な安売り競争を避けて、自分の商品が適正価格で売れやすい状況を生み出せます。
ただし、安値で売られている商品を一度に買い取る必要があるので、資金面や保管スペースの問題もあります。自分の予算と環境を考えつつ、過去のデータも分析しながら相場を適性額に戻せるのかを見極める必要があるでしょう。
Amazonは出品者の質を細かくチェックしているため、他の販売サイトと比べると全体的に出品者の質が高いといえます。
例えば、フリマアプリやオークションは出品へのハードルが低い分、商品の品質やサービスにバラつきが出やすいものです。届いた商品に対する検品も入念に行なわなくてはならないため、手間や時間がかかってしまいます。
もちろん、Amazonで仕入れる際にも検品作業自体は必要です。しかし、フリマアプリやオークションと比べると質の悪い商品にあたる確率が低いため、検品の負担を軽減できます。
Amazonのプライム会員であれば、お急ぎ便や当日お急ぎ便などの便利な配送サービスを無料で使えるようになります。
物販ビジネスで売上を拡大していくためにも、商品の仕入れと販売をスムーズに行ないたいところです。Amazon刈り取りであれば商品の仕入れをスピーディーに行なえるので、タイミングを逃して売り損ねるリスクを減らせるでしょう。
出品者の販売実績や評価をくまなくチェックしていたとしても、仕入れた商品が不良品である可能性はゼロではありません。ただし、Amazonは返品・返金のハードルを低く設定しているため、仕入れた商品の返品・返金も比較的簡単に行なえるのがメリットです。
商品が壊れていたり、商品のコンディション説明が実物と異なったりするなど、仕入れた商品の状態が悪い場合はAmazonに対して返品・返金を申請してみましょう。
Amazon刈り取りを行なうなら、Keepaというツールを活用するのがおすすめです。
Keepaを導入すると、Amazonの価格履歴グラフをチェックして価格変動を簡単に追跡できるようになります。あらかじめ仕入れたい商品をKeepaに登録しておけば、希望の仕入れ価格に達した時点で通知が届くため、刈り取りリサーチの手間を大幅に軽減できるでしょう。
Keepaはブラウザの拡張機能としても提供され、インストールすることによりすべての機能がAmazon上で利用できるようになります。Firefox・Google Chrome・Opera・Microsoft Edge・Safariのなかから、普段使用しているブラウザを選択して使用しましょう。
メリットの多いAmazon刈り取りですが、気を付けなければならないポイントもあります。実際に取り組む前に、以下の注意点を押さえておきましょう。
商品が他の出品者よりもあきらかに安く販売されている場合は、価格を下げた理由も推測が必要です。商品の状態が悪い、付属品が不足しているなどの理由から、値下げが行なわれている可能性があります。
中古品をAmazonで仕入れる際には、コンディション説明を入念に確認しておきましょう。商品にどの程度ダメージがあるのか、付属品がすべてそろっているかをチェックしてから仕入れることが肝心です。
Amazonで物販ビジネスを行なう以上、Amazonの定めたルールに従わなくてはなりません。
過去にはAmazon刈り取り自体が禁止されていた時期もありました。今までは問題とならなかった手法でも、今後NGになる可能性は否定できません。Amazonのガイドライン改定にスムーズに対応するためにも、物販ビジネスの現状を把握して最新情報を定期的に確認しておきましょう。
最後に、Amazon刈り取りのリサーチについて、意識しておきたいポイントを紹介します。
Amazon刈り取り自体は2021年2月の時点で禁止されていませんが、今後どのような状況になるかはわかりません。ガイドラインが変更になる可能性も考えて、念のためセラーアカウントと刈り取りを行なう購入アカウントを分けておきましょう。
Amazonで商品を仕入れる際には、プライム出品者を優先して刈り取り対象にすることをおすすめします。配送スピードの速いプライム出品者のほうが、商品の仕入れをスピーディーに行なえるからです。
購入した時点で需要のある商品であっても、仕入れから販売までの期間が長いほど売り時を逃すリスクも高まると理解しておきましょう。
Amazonで商品を購入するときは、出品者の評価を確認することも大切です。品質の悪い商品が届くリスクを避けるためにも、新規出品者や評価数が少ない出品者、低評価が多い出品者は避けたほうがよいでしょう。
注意したいのは、価格設定に慣れていないだけの物販初心者も多く混ざっていることです。刈り取りの対象としてふさわしい出品者なのに、新規出品者という理由だけで避けてしまうと利益を逃すことにつながります。怪しい出品者なのか物販初心者なのかを、慎重に判断する必要があるでしょう。
Amazon刈り取りで利益を出すなら、タイムセールやプライムデーなどを狙ってリサーチをかけるのもおすすめです。通常価格よりも安値で商品を仕入れて、セールが終わったあとに通常価格で販売すれば価格差で利益を得られます。
セール時期などの情報収集を定期的に行ない、タイミングを合わせて有効活用するとよいでしょう。
本来の相場とAmazonで出品されている最安値に差があるとき、刈り取りに適したタイミングと考えて、大量に仕入れてしまう方もいるのではないでしょうか。
価格が大幅に落ちているときは刈り取りのチャンスですが、価格差と併せて売れやすさを重視することも大切です。売れやすい商品なら、価格差がそれほど大きくなくても多売ができれば売上アップにつながります。
一時的な供給過多で全体の価格が下がっているのか、今後需要が回復する可能性があるのか、といった点を総合的に考慮したうえで、刈り取りの判断を行なうことが大切です。
Amazonで安売り競争が行なわれていると、他の出品者の動きに気を取られて「自分も価格を下げて売り切りたい」という考えになるかもしれません。しかし、最安値が更新された場合も供給と需要のバランスを見ながら、本来の相場と相違がないか見極めることが必要です。そのときは最安値だったとしても、その後どんどん価格が落ちてしまう可能性もあります。
今回紹介したように、Amazon刈り取りには安く仕入れできる・比較的質の高い出品者から仕入れられる・便利なツールを活用できるなど、数多くのメリットがあります。もちろん、注意点もあるので気を付けなければなりませんが、一度下がった相場をもとに戻せる可能性がある点は見逃せません。刈り取りのチャンスに遭遇した際は、ぜひ本記事を参考に試してみてください。