Amazonでは法人店舗が出店しているイメージが強いかもしれませんが、個人で商品を仕入れて出品することも可能です。
ただし、Amazon物販を始める前に “出品規制”について、正しく理解しておく必要があります。Amazonで新しく商品を出品する際には、「出品しても問題のない商品なのか」「出品に許可が必要なのか」をチェックしなくてはなりません。
今回の記事では、Amazonの出品規制の仕組みから規制の確認方法・解除方法までの詳細を説明します。
メディアの内容を動画でも詳しく解説してますので参考にしてください!
Contents
Amazonの出品規制とは?
まずはAmazonの出品規制について、基本的な仕組みを知っておきましょう。
Amazonでは、一部商品に出品規制がかけられている
Amazonでは、どのような商品も制限なく扱えるわけではありません。一部のブランドやカテゴリー(サブカテゴリー)には出品規制がかけられていて、許可を得なければ販売できないケースがあります。
せっかく利益の出そうな商品を仕入れたとしても、そもそも販売できなければ意味がありません。大量の在庫を抱えたり、出品許可に手間取って売るタイミングを逃してしまったりすると、利益を手に入れるどころか損をしてしまいます。
新しい商品を仕入れる前に、その商品に出品規制がかけられていないかの確認が必要ですが、出品規制の明確な基準は公表されていないため、商品ごとに出品許可の必要性を調べなくてはなりません。
また、アカウントによっても出品可否が異なることも覚えておきましょう。出品の実績や高評価を積み重ねていくことによって、取り扱える商品の幅が広がる可能性もあります。
【Amazonの出品規制】出品許可が必要な商品の例
食品・飲料・お酒に関しては商品の安全性、ブランドや品質に配慮するためカテゴリーに対して出品要件が設定されています。Amazonの定めた要件を満たしていることを確認したうえで、出品許可申請を行なわなくてはなりません。
また、出品許可が必要な商品の例として、Amazonの公式ページには以下のように示されています。
※2021年2月時点
- 個人の安全に関わる製品および家庭用品
- おもちゃ&ホビー商品(ホリデーシーズン中)
- ストリーミングメディアプレーヤー
- Amazon限定商品
- Made in Italy
一部の商品はAmazonへの出品が制限されている
Amazonで新しい商品カテゴリーを開拓する場合は、制限対象商品について確認する必要があります。制限対象商品とはAmazonでの出品が制限される商品であり、Amazonの公式ページで確認できる制限対象商品は以下のとおりです。
※2021年2月時点
- 酒類
- 動物および動物を材料とする商品
- 栄養補助食品
- 医薬部外品および化粧品
- 医薬品
- 医療機器
- 食品&飲料
- 通貨、硬貨、および現金同等品
- Amazon デバイスおよび修理・メンテナンス用アクセサリ商品
- 電化製品・電子機器
- レーザーポインターおよびその関連商品
- タバコおよびタバコ関連商品
- 医療機器および関連商品
- 植物、植物由来製品および種子
- リコール対象商品
- 自動車用品
- アダルト商品
- 不快感を与える商品
- 武器および武器を模した商品
- 盗品およびロックピッキング装置
- その他の商品
- 化学物質、農薬および肥料
上記の制限対象商品それぞれに規制がかけられており、一部の商品はそもそも出品自体が行なえません。法令に反する商品も、もちろんNGです。
取り扱い予定の商品がAmazonの制限対象商品に該当する場合は、該当するカテゴリーに記載されている“出品可能商品例”と“出品禁止商品例”をよく確認しておきましょう。ただし、Amazonのルールは随時更新されるため、定期的な確認が必要です。
酒類の取り扱いに関しては、酒類販売免許を取得が必要になります。
詳しくは下記記事を参考にしてください。
【Amazon物販】出品規制の確認方法
Amazonの出品規制をどのように確認するのか、パソコンから確認する場合とスマートフォンから確認する場合に分けて説明します。
パソコンから確認する方法
セラーセントラルの商品カタログ検索ページを開いて、検索窓に商品の情報(商品名やASINなど )を入力します。商品名で調べるよりも、ASINやJANを入力するほうがスムーズに検索可能です。
出品予定の商品を見つけたら、出品規制の表示をチェックしてください。“出品許可を申請”と表示されている場合は、出品規制がかけられています。“制限を表示”という部分を選択して詳細を確認しましょう。
検索した商品にサイズ・カラーなどの種類がある場合は、“バリエーションを表示する”をクリックしてください。サイズやカラーごとに確認できます。
スマートフォンから確認する方法
スマートフォンから出品規制を確認する場合は、スマートフォン用アプリのAmazon Seller(iPhone版・Android版)を使用します。アプリを起動後、商品登録の検索窓に商品名やコードを入力してください。
出品したい商品を選択したら、商品ページに“鍵マーク”が表示されているかを確認しましょう。鍵マークがある場合、その商品には何かしらの出品規制がかかっていることを意味します。鍵マークをタップすると、出品規制の詳細を見ることが可能です。
【Amazon物販】出品規制の解除方法
取り扱い予定の商品が出品規制の対象であった場合、必要な手続きを済ませることで規制の解除が可能です。出品規制の解除は、以下のような手順で行ないます。
STEP1:出品申請画面を確認する
出品規制がかかっている場合は、商品を登録する際に“出品許可を申請”というボタンが表示されます。クリックして出品申請の画面に進みましょう。
出品許可が必要であること・何に規制がかかっているのかを確認したら、“出品許可を申請する”のボタンを選択してください。
STEP2:出品規制解除に必要な書類を確認する
次に、出品規制の解除に必要な提出書類を選択します。“商品の購入に対してメーカーまたは卸業者が発行した請求書1通以上”という項目にチェックを入れてください。
請求書を選択すると、以下のような要件が表示されます。
- 出品申請の180日以内に発行された請求書であること
- 出品者の名前・住所が請求書に書かれていること
- メーカーまたは販売業者の名前・住所が書かれていること
- 合計10点以上の購入を表示していること
Amazonが指定する要件をすべて満たした請求書を用意しなければ、出品規制解除の申請はできません。また、請求書だけでなく商品やパッケージの画像提出を併せて求められるケースもあります。
STEP3:請求書を取り寄せし、提出する
前述のとおり、出品規制解除のためには、購入した商品に関してメーカーや卸業者の発行した請求書が1通以上必要です。とはいえ、個人がメーカーから仕入れるのは容易なことではないので、卸業者などから発行してもらいましょう。
方法としては、卸業者から入手するのが一般的ですが、それ以外にも家電量販店を利用すれば、簡単に請求書を取り寄せられます。
例えば、エディオンネットショップで商品を購入すると、お問い合わせから請求書の依頼が可能です。このとき、出品規制を解除するブランド・カテゴリーのなかから、価格の安い商品を選ぶとよいでしょう。規制解除が目的の商品ですが、利益率の高い商品があるなら仕入れてAmazonで販売すれば一石二鳥です。
ネットショップでなくても、実店舗で請求書を発行してもらえるケースもあります。ただし、名前と住所の表示や合計10点以上の購入など、請求書の必要な要件を満たさなくてはなりません。
「せっかく仕入れたのに請求書を発行してもらえなかった」という事態を避けるためにも、事前に請求書発行の可否を店舗に確認しておきましょう。
【例外】ワンクリック解除が可能なケースもある
ここまで、出品規制の解除方法と請求書の発行について説明してきましたが、上記の手順をふまなくても“出品許可を申請”をクリックするだけで規制が解除されるケースがあります。いわゆる、ワンクリック解除というものです。
ただし、商品の種類によっては、ブランドやカテゴリーなど複数の規制がかかっているケースがあります。例えば、ブランド名でワンクリック解除ができたとしても、カテゴリーでワンクリック解除ができない場合などです。
出品者の販売実績によってもワンクリック解除の可否が異なるため、“出品許可を申請”をクリックするまで、出品許可が下りるかどうかはわかりません。
また、ワンクリック解除のしやすい時期があり、「半年前はNGだったのに再度試してみたら通った」というパターンもありえます。そのため、現時点で販売予定がないブランドやカテゴリーについても、定期的に試してみる価値はあるでしょう。
Amazonの出品規制については、仕入れ前に必ず確認しましょう
Amazon物販で失敗しないためにも、商品を仕入れる前に出品規制の基準を確認しておきましょう。仕入れを終えてから出品規制に気付くと、せっかく仕入れた商品を販売できずに仕入れ費用が無駄になってしまいます。大型の商品を仕入れた場合は、保管スペースが足りなくなることも問題です。
事前に出品許可が必要な商品やそもそも出品禁止の商品など、注意しなければならないブランドやカテゴリーは多数あります。Amazonの出品規制の基準は変更される可能性もあるため、定期的に確認しなければならないのも難しいところでしょう。
商品リサーチの段階で利益率の高そうな商品を見つけると、つい焦って仕入れることもあるかもしれませんが、そもそもAmazonで出品できない商品であることも考えられます。在庫リスクを避けるためにも、必ず仕入れの前に出品規制の詳細をチェックしておきましょう。
まとめ
圧倒的な商品ラインナップが魅力のAmazonですが、どのような商品でも自由に出品できるわけではありません。一部のブランドやカテゴリー・サブカテゴリーごとに出品規制がかけられているため、仕入れ前のチェックが必要です。
せっかく利益が出そうな商品を仕入れたのに、出品規制がかかっていて出品できなかったのでは意味がありません。確認するだけなら時間はかからないので、必ず確認しておきましょう。
出品者が販売実績を積んで高評価率を上げていけば、今まで取り扱えなかった商品でも出品許可が下りるケースもあります。出品許可を申請したときにワンクリック解除ができなかった場合は、請求書を用意するなど必要な手続きを行ないましょう。